時短

同じドラッグストアに通い続ける方がいいたった1つの理由

今、小売業の中で最も勢いのある業態と言えばドラッグストアだろう。駅前や郊外、あらゆるところで出店されており、道路を挟んでドラッグストアが2店舗あるという状態も珍しくない。

ドラッグストアの良いところと言えば、医薬品、化粧品などの生活必需品から食品、飲料まで取り扱う品揃えの広さとその安さだろう。
基本的に医薬品と化粧品は利益率が高いとされており、食品などの安売りはそれら商品の利益率の高さゆえできることだと言われている。

例えば、スーパーとドラッグストアの売上構成比の比較を見るとその違いは明らかだ。もちろん企業によって特色の差はあるが、利益の根源である医薬品と化粧品の構成比がこれだけ違えば利益構造も変わってくるのだろう。

利便性で言えばコンビニが勝るが、数値で見ると近年では出店よりも閉店するペースが増してきている。

今後もドラッグストアの栄華は続くものと思われる。

今回の記事ではドラッグストア業界の全体像とサービスの全容、他の業態との差を明らかにし、利便性を伝えるとともに、題名にある「同じドラッグストアに通い続ける方がいいたった1つの理由」を伝授したいと思う。

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目次(クリックで移動)

ドラッグストアの全容

生活必需品が買える

当たり前のことかもしれないが、風邪薬などの医薬品、マスクなどの衛生用品、プロテインなどの健康食品、ジュースなどの飲料、お菓子、パンや納豆などの日配品、冷凍食品、企業によっては野菜や肉などの生鮮食品など、数えきれないほどの商品が購入することができる。

独身男性ならわざわざスーパーまで買い物に行かなくても十分に生活できるほど充実したラインナップとなっている。
主婦でも土日は家族でイオンなどの総合スーパーで買い物をすれば、日々のちょっとした買い物はドラッグストアでまかなえるだろう。

また調剤薬局を併設しているドラッグストアもある。処方箋を持っていき、買い物をしている間に薬を処方してくれるため利用者も増加しているそうだ。
調剤に注力しているスギ薬局の処方箋枚数は、2009年から2019年の10年間で4倍強となっている。(2020年2月期上期 決算説明会|スギホールディングスを参照)

家の近所にある(どこにでもある)

本当の田舎じゃなければ、10分ほど運転すれば1軒はドラッグストアに辿り着くだろう。

上の図は総務省が開示している「商業動態統計調査」からまとめたものだが、2015年度と2020年4月度を比較すると、全国で約3,000店舗のドラッグストアが増えていることが分かる。

コンビニの約55,500店舗には遠く及ばないが、スーパーの約22,000店舗には近しい店舗数となっているし、今後もその差は縮まり続けるだろう。

人口が多い都道府県の方が実店舗数が多いのは当たり前のことだが、
人口あたりの店舗数を出すと、岐阜県が最も店舗数が多いという意外な結果となった。

岐阜県は、バロー系列のVドラッグ、富士薬品グループのドラッグユタカなど地元で店舗数を誇るチェーンの本社がある県であり、お隣には愛知の雄「スギ薬局」がある。さらに北陸からは生鮮食品も取り扱う「クスリのアオキ」、冷凍食品がとにかく安い「ゲンキードラッグ」など全国売上上位10社に入るドラッグストアがしのぎを削っているためだと思われる。

このように、都心だろうが、田舎だろうがドラッグストアは生活者の近くあることが分かるだろう。

食品が安い

前述の通り、医薬品などで利益を確保しているため、食品を客寄せとして安売りしていることがドラッグストアの特徴だ。

企業名は伏せるが、俺の近所のドラッグストアでは卵10個が98円で販売されているし、うどんは1玉10円台で購入できる。
お米も少し前まではスーパーの新店セールでなんとか10キロ2,980円で販売されていた程度だと記憶するが、今やドラッグストアでは2,980円で当然のように販売されている。

飲料やお菓子関しても、学生時代はよくドラッグストアで購入したものだ。

買い物が楽しい

生活者のお財布に貢献するのは重要なことだが、せっかく買い物をするならば楽しく買い物がしたいのは当然の欲求だろう。

ドラッグストアは基本的に売場が綺麗だ。

入り口には季節感を感じさせる化粧品や医薬品が陳列されており、
売場に立ち寄ってしまうよう工夫が凝らされている。

化粧品には必ずテスターや香り見本が取り付けられており、選択の幅が広がる。衣料用の洗剤にしても香り見本があることで使用シーンを想起させるし、「試しに買ってみよう!」という気持ちにもさせてくれる。

こういった販売促進活動はドラッグストアの工夫もあるが、メーカーの協賛があってこそだ。
もちろんメーカーも予算は有限であるから、今一番勢いのあるドラッグストアに対して販促活動を注力するのは当然のことだ。

勢いのあるドラッグストアを取り巻く環境がきらびやかな売場を実現させているのだ。

アプリクーポンなどのサービスの充実

10年ほど前はスタンプを押すポイントカードが主流だったが、現在はアプリを使用したポイントカードへ移行しているドラッグストアが多い。

その中でもアプリ内のクーポン「〇〇を買うとポイント2倍!」など他の業態ではないサービスが充実している。

また還元率1%(100円で1ポイント)のポイント付与が基本で、500ポイントで500円引きのクーポンが発行される企業が多い。
独自のポイントだけでなく、ウエルシアグループならTポイントツルハグループなら楽天ポイントなど他のポイントサービスと提携しているドラッグストアもある。

さらに、カード決済、QRコード決済、ドラッグストアごとのプリペイドカードなど様々なサービスが存在する。各ドラッグストアごとのサービスは別の記事にする予定だが、どのドラッグストアもお客を取り込むために様々なサービスを充実させていることは理解されたい。

このサービスを最大化するために、同じドラッグストアに通い続ける必要があるのだ。

他の業態との違いを解説(スーパーなど)

スーパー

スーパーは言うまでもなく、食品をメインで扱う小売業だ。合併が続いている他業態(ドラッグストア、ホームセンター、コンビニ)と違い、大手だけでなく地方ごとに力を持った有力な企業も多数存在する。

ドラッグストアは全国チェーン展開という数のメリット(規模の経済)をいかした大量仕入れによるリベートの獲得と安売りが可能だ。これは食品はもちろん、医薬品、化粧品も同様だ。そのリベートをさらに安売りのための費用に回して、、というような循環で売上を上げていく戦略だろう。

しかしスーパーは地方・地域ごとの企業が多数あるためドラッグストアのような規模の仕入れは行えない。それでも大量仕入れによる規模の経済を働かせ仕入れを安く済ませられるよう、ボランタリーチェーンという形態を採用しているスーパーもある。

ボランタリーチェーンについては他の記事で書くことにするが、
簡単に言えば、独立した企業ごとの集合体のことで、別々の企業ながら同じPB(プライベートブランド)、物流を行うことでコスト削減を図っているのだ。

ボランタリーチェーンはPBや仕入れの領域だけでなく、サービス面でも同じシステムで運用している。
スーパーのポイントカードはチャージを行うプリペイドカードが主流だが、これも単体では導入できないサービスを集合体で導入することによってコストを下げている。

しかし、薬機法の関係で医薬品を取り扱うことが難しい点や、化粧品や日用品はドラッグストアより高めの値段設定のところが多い。

我々の生活に欠かせない食品を多数取り扱っている点ではドラッグストアより優位性を保てるが、サービス、価格等では厳しい部分が多いと感じる。

ホームセンター

ホームセンターは、機材や工具などブルーカラー、いわゆる「ものづくり」に携わる人々向けへの商材を売上の中心にしている。単価も高く利益率も高いことからドラッグストアの食品のように、ホームセンターでは「シャンプー、洗濯用洗剤、住居用洗剤、殺虫剤」などの日用品が安売りの対象となる。

ホームセンターで食品や医薬品を取り扱う店も増えてきているし、企業統合による業界再編もまだまだ続く業態であることは間違いないが、ドラッグストアのような綺麗な装飾や売場づくりの実現は難しく、また男性客が多いことから化粧品の取り扱いは少ない。

カインズなんかでは店舗内にカフェが入っていたり、家具や雑貨などの便利でオシャレな商品を取り扱っているが、ホームセンターとドラッグストアを同列に語ることは難しいだろう。

よってドラッグストアとは明確な使い分けをおススメしたい。ホームセンターで購入できる化粧品、日用品はドラッグストアで購入できるし、月1回だけ買い物に行くホームセンターでポイントを多く獲得するのは難しいだろう。

同じドラッグストアに通うべきたった1つの理由

ドラッグストアの利点から他業態との比較まで書いてきたがずばり一言でいうと、

ドラッグストアは何かとお得!

という一言に集約されるだろう。

そのお得なドラッグストアだが、「どこが一番お得なの?」という至極当然の疑問を抱く人も多いだろう。

しかし、その結論は「あまり大差がない」という結論にならざるを得ない。アプリクーポンなどのサービスが充実しているドラッグストアは価格は高めに設定されているケースも多いし、「日用品は安いけど、化粧品は高い」といった具合にカテゴリーによってもお得かどうかは変わることが多い。

また基本的には食品や飲料は価格が安いため、大きな差は出にくい。
わざわざ1円安いもやしのために10分の時間を使う方が、もったいない生き方をしている。

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大事なのは、安いからと転々とドラッグストアを行ったり来たりするのではなく、「同じドラッグストアで買い物をし続ける」に他ならない。

なぜ同じドラッグストアなのか?

享受できるサービスを最大化するには、通い続けるしかないからだ。

ドラッグストアとその他の業態で最も差がある部分は、ポイントやクーポンの割引部分であろう。購入金額に応じたポイントを取得して、割引が行える。

問題はその割引を達成する基準が、絶妙に難しいケースが多い。

基本的なケースは以下になる。

割引達成のために、、
  • 100円ごとに1ポイント
  • 商品別で特別ポイント付与(〇〇購入で20p付与!など)
  • ポイント倍デー(毎月20日はポイント2倍!など)

⇒500ポイント取得で500円割引券の発行!

この、「〇〇ポイントで〇〇円の割引券発行!」を採用するドラッグストアが多い。
ツルハドラッグ、マツモトキヨシ、ココカラファイン、クリエイトなど金額の差はあれどポイントを貯めることで享受できるサービスが多い。

例えば上の通り、500ポイント貯めるとすると、
必要な購入金額は50.000円である。

もちろんポイント倍デーなど様々な要因が重なるとは思うが、基本的には還元率は1%のところが多い。

お得な割引を受けるには、それなりの金額を購入する必要があり、それを実現するためには、同じドラッグストアに通い続けるのが最も効率的なのだ。

ドラッグストアの選び方

通いやすいドラッグストア

どれだけサービスが良くても片道1時間もかかるようなところには通えない。また劇的に還元率が良いドラッグストアもない。どこもサービスは似たようになっている。

そう考えると、サービス云々というのは二の次に考えるとして、
とにかく自分が通いやすいドラッグストアを選択する必要がある。家から近い、帰り道にある、など何でもいいのだが、サービスを最大限に享受するには同じドラッグストアに通い続けるしかないのだから、通うことがストレスにならないよう選択したい。

コスモス薬品という異端児

九州を本社に置くコスモス薬品というドラッグストアがある。関東以東の人には馴染みのないドラッグストアだと思われるが、業界内で売上3位と今、勢いのあるドラッグストアであることは間違いない。

また、1位のツルハ、2位のウエルシアは吸収合併を繰り返すことで規模を大きくしていった企業に対して、コスモス薬品は単独企業で業界3位の売上を誇っている。

店舗数も上位2社は各2,000店舗以上だが、コスモス薬品は1,000店舗強と店舗数では大きく差を広げられている。しかし、倍近くの店舗差があるのに対して、売上ではウエルシア約8,600億、コスモス薬品約6,800億と切迫する結果となっている。

これは売上構成比が全く違うからだ。詳しくはまたの機会にするが、
コスモス薬品の食品の売上構成比は約60%弱に対し、
ウエルシアの売上構成比は約20%強と全く違うことが分かる。

これはウエルシアが低いのではなく、コスモス薬品の構成比が高いのだ。

やはり生活必需品といえども、生命活動に直結する食品や飲料の方が優先順位が高く、結果として多くの消費者に支持されている格好だ。

なぜコスモス薬品は人気なのか?

それはずばり「安い」からであろう。

食品はもちろん、その他の商品も他のドラッグストアよりも価格訴求を強化していることは企業戦略として前面に打ち出している。
さらに税込み価格表示のため、他のドラッグストアでの税抜き価格がコスモス薬品での購入金額になっている印象を持つ。

その安さの秘訣は、他のドラッグストアでは当たり前でありながら差別化となっているポイントやアプリやクーポンなどをほぼほぼしないことだろう。QRコード決済やカード決済も行っていない。

唯一のサービスと言えばLINEがあるが、チラシの連絡と一部商品の割引券の配布案内となっている。

このようなサービスを排除してまでも価格を訴求するドラッグストアもあり、一概にはどこのドラッグストアがおススメと言いきるのは難しい。

しかし、各々で特性があるのは間違いないため、今後の記事で各ドラッグストアごとのサービス内容を順次公開していきたい。