「自分はファッションに疎い」
そんな男性は多いんではないだろうか?
俺はファッションが好きだった。
高校時代はハイスタの横山健にモロ影響を受けて、私服ではバンドTシャツにディッキーズ874をデカ履きして足元はVans old scool。大学時代はアメカジに陶酔しており、週3日は古着屋に通い、時には県外遠征するほどだった。
ハイブランドを着こなすようなオシャレ好きではなかったが、「ファッションにはカルチャーが根差している」という強いこだわりは持っていた。
そんな俺の大学1年生の冬。
「同じ学部で、共通の友人もいる、一緒に遊ぶほどでもないけど学校では喋る奴」と友達と言えるかどうか微妙な距離感の男友達に、俺のファッションについて、あまりにも的確かつこれまでのファッション観を覆させられる強烈な一言を放たれました。
「休日の草野球のおっさんやん!」
この一言で俺は目覚めてしまった。
Golden Bearのスタジャン、Big Macのネルシャツ、リーバイス501の赤タブ、90年代のジャックパーセル、自分ではポリシーを持っていたファッションも人から言わせればただの「おっさん」だった。
そこからファッションというものの認識を「自分が着たいもの」「したい格好」から「無難で変に思われないもの」へ改めた。
そしてミニマリスト的な憧れも重なり、少ない予算、服を選ぶ時間の短縮などすべて効率化を図ってきた。生活の上で服の選択をすることは少しの時間かもしれないが、毎日の積み重ねでは膨大な時間となる。
有名な話だが、スティーブジョブスも決断する時間を減らすという理由で10年間同じ格好をしていたそうだ。
「そんなの何が楽しいの?」と思われる人もいるかもしれないが、これは個人の価値観の違いと言っていいだろう。俺は大学時代の友達の一言から価値観がガラッと変わってしまった。
その結果、ファッションを楽しむ気持ち、めんどくさいと感じ億劫に思う気持ち、両方の気持ちがわかる非常に珍しいタイプの人間になったと思う。
ファッションに興味ない人でも「ダサい」とは思われたくないと思う。これから紹介する服たちは事実上「ダサい」宣告を受けた俺が真剣に考えた服たちとなっている。
「個性的ではないが悪目立ちは決してしない。」そんなテーマの格好になっているため参考にできる所も多いと思う。
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「ドレスとカジュアルのバランス=7:3」は忘れていい
ファッション界隈で超有名なバイヤーであるMBさんはファッションの大原則として「ドレスとカジュアルのバランス=7:3」を提唱している。
ドレスとはフォーマルなアイテムのことで、革靴、ジャケット、シャツ、スラックスなど「スーツ」をイメージしてもらえればいいだろう。カジュアルはスニーカー、Tシャツ、デニムなどいわゆる「私服」の分類のことだ。
ファッションという不確実性の高い分野において、実績あるバイヤーがこのように定量化し明言していただいたことはありがたいこと。
しかし、同じアイテムでも色見や素材などによって分類が変わってしまう可能性があるなど、我々素人の実用化にはまだ遠い印象を持つ。
これはファッションの興味の有無を問わずに注目を集めるためのキャッチコピーであると考えれば納得がいく。さらに漫画「服を着るならこんなふうに」はMBさんが企画協力として参加しており、ファッションというものを広く世に広めるために尽力されていると感じる。
そのファッションを誰よりも考えられているMBさんの言葉だから、深い谷のようでもあり高い山のようでもある奥深い、ファッションという世界へいざなうため「ドレスとカジュアルのバランス=7:3」という言葉が用意されていると考えるのが自然だろう。
つまり、一見ファッションに興味ない人向けの漫画かと思わせておいて、ファッションに興味ありありの人達への「お前らこの基本はわかっとるよな?」という投げかけの意味もあるように感じるのだ。
・興味ない人→興味を持つ→ファッション界隈の繁栄
・興味ある人→正しい知識の再確認とさらに理解を深める→ファッション界隈の繁栄
という流れを望んでいるのではないだろうか。
しかしファッションにかかる予算、時間を少なくしたいと考える俺にはこの法則は当てはまらない。
「ドレスとカジュアルは白か黒か、0か100か」、それが正解だと思っているからだ。
ドレスとカジュアルは極振りしよう
・プライベートでドレスチックな服装をする回数は何回ある?
結婚式、同窓会、高級ディナーなど回数は年に数回だと思われる。月に何回もある人は別として、それほど回数がない人が「オシャレかつ礼儀をわきまえている」服装ができるだろうか?またする必要はあるだろうか?そこにお金と時間を費やすならドレスに極振りして無難に行くのがいい。
むしろ「結婚式 カジュアル」と検索すると、「関係性による」などの枕詞はあるものの、そのような場で個性を出すような服装が推奨されているケースはほぼないと言っていいだろう。それならばやはり結論は「ドレス極振り」で全く問題ない。
ゴルフ・ホテルのバイキングなどのドレス極振りがそぐわない場合のために黒か紺のジャケットを1着持っていればいいだろう。ズボンはユニクロの感動パンツがおススメだ。
ガラ、文字、は排除
・ガラは不確実要素を増やすだけ
なぜかファッションに興味がなさそうな人たちほど柄物を好むような気がする。ズボンの裾の折り返し部分のチェックなど柄が入っているアイテムは着こなせる人の方が少ないだろう。
チェックだけでなく、ストライプ・ボーダー・ドットなど全ての柄は中級者から上級者、ファッション好きが取り組む事案であり「オシャレを楽しみたい」という気持ちがない人は手に取る必要のないアイテムと言える。
「シャツがストライプだから・・・」「ギンガムチェックが流行っているから・・・」などは不確実要素を増やしてしまい難易度も上がるし、貴重な時間も要してしまう。
カジュアルの代表例としてパーカーが挙げられると思うが、ロゴや柄を排除して、後で紹介する黒スキニーを合わせれば子どもっぽさも改善される。
新聞紙服や、英字羅列服は論外だ。
柄や文字はファッションを楽しみたい人が楽しむ要素であって、選択肢を少なくし効率化を図る上では邪魔になってしまう。
ズボンは黒スキニー一択
・黒スキニーは誰でも何にでも似合う
黒スキニーは万能だ。
「野球部出身で太ももが太くて・・・」という人でも似合う。むしろダボっとしたズボンの方が足が太く見えるだろう。
各ブランド黒スキニーは取り扱っているが、価格、履き心地、買いやすさ(どこでも買えるし何回でも買える)を考えても「ユニクロの黒スキニー」が最適解。
スキニーに「窮屈そう」というイメージを持たれている人は一回でいいので試着してほしい。カルチャーショックを受けるくらいの履き心地の良さで圧倒的。
「ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ」という商品だ。色落ちや経年劣化が気になれば買い替えればいい。これ以上のスキニーはどこ探してもない。
また、定番のベージュのチノパンは老けて見られるのでおススメできない。膨張色のため太っても見える。
・スニーカーはド定番を履きつぶす
ドレスチックな服装をするなら革靴は必須だが、ドレスの場にはそれ用の靴があればいい。
それ以外のカジュアルな私服の場はスニーカーでいいだろう。
しかしスニーカーはブランドごとに種類も多いし、価格差も大きい。ゆえに購入の選択が難しくなる。
「オシャレは足元から」と言うが、疲労も足元から来る。コンバースオールスターは定番で人も選ばないが、やはり価格なりの疲れ方をする。
実用性とファッション性を兼ね備えたスニーカーは、
「アディダス スタンスミス」
「ニューバランス996」
この2つになる。
・スタンスミス
スタンスミスは名作中の名作。
スニーカーでありながらドレス要素も持ち合わせる最強の一足と言っても過言ではない。再販されてから街で見かける率の高さからもスタンスミスのポテンシャルの高さを感じさせる。
色は友達のスニーカーマニアが「緑一択」と言っていた。何色でも良いと思うが、緑を買えば間違いなくダサいとは思われないだろう。
・ニューバランス996
ニューバランスはやはり足への負担が他のスニーカーとは違う。その中でも996は価格帯、好みを選ばないデザインからダントツでおススメ。
574も人気があるが、つま先部分の丸みが子どもっぽい印象を与えてしまう。
色はグレーを選びたい。定番の色は誰が見てもダサいと感じない安心感がある。ニューバランスは小さいと感じる人が多いため、サイズは自分の普段履きの靴より1センチ大きめを選ぶのが無難。
この二足ならどちらも「ちゃんと選んでいるんだな」と思わせることができる。
あとは好みの違いだが、足の疲労度も考えると「ニューバランス996」をおススメする。
・夏はこのTシャツ以外いらない
誰もが着るものだからこそ個性が出てしまうTシャツ。個性が出るということは「ダサい」という概念が強調されてしまう。
間違っても柄やロゴが入ったTシャツは買わないように気を付けたい。
やはりTシャツもユニクロが安定したハイクオリティ。胸ポケットがないものが良い人は、「クルーネックTシャツ」を買えば間違いは起きない。
俺も夏のゴルフ場へ行くときは、クルーネックTシャツの上にジャケットを着ている。インナーとしても使え汎用性も高い商品。
しかし「胸ポケットが欲しい」という人も一定数いると思う。
そんな方にはGildanというアメリカのブランドのTシャツをおススメしたい。
通常のブランドはポケットが付くと1,500円くらいの値段になるが、このTシャツはネットでおおよそ1,000円で買える。
低価格だがユニクロに負けないクオリティだと感じる。俺は黒、グレー、薄グレー3色を2枚づつ買って部屋着もすべてこれにしている。ちょっとコンビニへ行くのにちょうどいい。
小物もユニクロが最強だが、カバンは挑戦したい
・カバンは価格と品質が比例しやすい
「男はカバンなんていらない」という人もいると思う。
しかし荷物の多い少ないは人それぞれだし、カバンを持ち歩かないために「財布をミニウォレットに替えろ」と言うのも気が引けるのでカバンにについても言及したい。
カバンはクラッチバッグ(セカンドバッグ)がベター。
もはやクラッチバッグは定番化しているため「親父臭い」という印象を持たれることはない。
さらに黒スキニーと合わせた格好ならなおさら上のような印象は持たれる心配はない。
Y-3のサコッシュ兼クラッチバッグ。他のアイテムは手は出せないが、小物は手の届きやすい値段設定。紐がついており、斜め掛けもできる。取り外せばクラッチバッグでも使用可能な汎用性の高さがおススメ。
こちらはラコステ。素材が若干カジュアル寄りだが、年齢は選ばない。ワニのマークが「ダサい」の烙印を押させない効果。
・靴下
また悩みがちな靴下は無印良品が良い。
3足790円+税はユニクロを超えるコスパ。しかもデザインもユニクロより洗礼されている。
ちなみに俺は仕事用も私物用も同じ靴下を買い続けています。全ては合理化のためです。
・ハンカチ
ハンカチはマナーとして持つようにしたい。
しかし素材はハンドタオルがおススメ。アイロン掛け不要。二つ折りなのでかさ張らないし、すぐ乾く。
ハンカチは人の目につきにくいし、持っているかどうかが重要なので柄物でも問題なし。
まとめ(合理化目的でもファッションは楽しい)
ファッションは本来楽しむものだと思う。俺自身は今、比重が合理化へ傾いているだけかもしれない。
人がどんな格好をしようとも自由だが、服装をみてどんな感想を抱くかも自由だ。(ただし口に出すのはNG)
TPOをわきまえるのは当然として、「ダサい」と思われないための服装を心がけることで生活の選択が減り、効率化にも繋がる。
「ファッションにはカルチャーが根差している」
合理的に生きようと奮闘している今の生活を文化とするならば、俺よりもファッションを楽しんでいる人は少ないと思う。自信はないが、ファッションが今も好きだ。