現在、自宅にテレビがないが、不自由が何一つない。
ニュースはスマホで見れるしネットフリックスやアマゾンプライムビデオでは映画・ドラマはもちろん、ドキュメンタリーからバラエティ番組までも網羅されている。
思い返せば、中学時代からテレビにあまり関心がなく、毎週欠かさず見ていたテレビ番組はなかった。親の教育が熱心だったわけではない。どちらかというと放置気味だったくらいだ。
そんな俺も年齢が20代後半に差し掛かり、現在は中学の同級生であるサトーと男同士で2人暮らしをしている。
最初に2人暮らしをするにあたってどういう生活をするか話し合ったとき、なんの違和感もなくテレビのない生活を選んだ。
若者のテレビ離れの要因として、
「コンプライアンスの厳しさからくる自主規制」「不景気によるテレビ局の制作費削減」「エンタメの細分化」など様々あげられているが、そこに言及するほどの知識も情熱もない。
ただテレビのない生活が豊かな気持ちを与えてくれる理由について、
「テレビ業界で当たり前とされている【イジり】からの解放」ではないかと考える。
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目次(クリックで移動)
権威化された「お笑い」と「ムラ意識」
松本人志が達成したお笑いの「権威化」
M-1に代表されるお笑いのショーレースは高視聴率を誇っており、国民的関心の高いイベントだということは間違いない。その中でもやはり松本人志の影響力が大きい。これは誰もが認めることだろう。
名著「遺書」の中には、
私は、ある意味、医者なのです。そして視聴者の皆さんは患者なのです。おもしろいこととおもしろくないことを区別できない重病人なのです。それを私がテレビという物を使って治療しているのです。
引用元:松本人志(1994年) 「遺書」
とあるように、自らの考える「お笑い」を広めていくことに意識的に取り組んでいたことが分かる。
この本の発売から25年経った今、お笑いのベースを作ったのはダウンタウンであり、松本人志だろう。
20年以上前から現在まで当たり前のようにテレビのゴールデンタイムに出演しており、知名度はもちろんのこと、M-1などの数々の賞レースの立ち上げなど、「お笑い」の権威化の立役者だ。
お笑い界の「ムラ意識」が与える生活者への強迫
いまだにお笑い芸人を目指す若者は多いが、有名になれるのは一握りの「限られた人」でしかない。
さらに「芸人」はテレビ視聴者を「素人」と呼び、ウチとソトを明確に区別している。
芸人は権威化された”高尚”な世界において勝ち抜いた人である。
「ウチ」の世界で存在を認めてもらうことを目指してきたわけだし、いわゆる「売れていない芸人」もその権威を目標にしているため、それが揺らぐ可能性は少ない。
権威に疑問を持った芸人は活動をyoutubeなど別の場所に移転させていることからも分かる通り、もはやお笑いの権威は個人で動かせないほど強固なものだ。
つまり我々「素人」は、このお笑いの権威が続くうちは、テレビで提供されている「お笑い」を理解できているかどうかで「ウチ」と「ソト」のどちらかに自動的にカテゴライズされてしまうのだ、その内容が良いか悪いか、問われることなく。
権威化が強固になればなるほど我々は「お笑い」を理解しているかどうかの選択に迫られてしまう。
さらに厄介なことは、テレビ的な「お笑い」と日常にある「笑い」は別物であるにも関わらず、学校・職場などのどのコミュニティにおいても、「お笑い」が持ち込まれてしまうのだ。
世間的にも認められている(とされている)「お笑い」を流用すれば「おもしろい奴」と認識されコミュニティ内での地位を確約できるためだ。
イジっていいかの判断は誰にもできない
お笑いは「ショー」であり真似することは危険
教授や専門家といった肩書の有無でその人に従いやすくなる「権威の法則」という用語があるが、テレビ業界において権威化されたお笑い芸人の発言は、「人とは違った角度の意味のある発言」だと思わることが多い。
これはワイドショーのコメンテーターにおけるお笑い芸人の数を見れば明白だろう。(ワイドショーの是非はここでは問わない)
さらに松本人志を起源とするお笑い芸人は、「他者との違い」を見つけて発信することで自らの存在をアピールしていた。
(【おもしろくないこと】すら【おもしろい】」という松本人志の発明はあまりにも偉大すぎるのだが、、)
もはや「お笑い」の権威化は領域を超えて、社会的意見においてもその権威を発揮していると言っても過言ではない。いわんや「お笑い」の領域ではその権威を確固たるものにしている。
その中で「素人」にも蔓延っている「イジり」が「ウチ」に入れなかった「素人」を苦しめているのではないかと思った。
個人に置き換えると、テレビ業界で正とされている「イジり」への違和感を覚えた俺は「テレビ」から離れたことでその息苦しさから脱却できたのではないかと思うのだ。
テレビの前で芸人が行う「お笑い」は「素人」の日常生活に応用させるにはあまりにも危険だ。知らず知らずのうちに人を傷つけている可能性がある。
それに気が付けたのは俺自身がイジられた経験によるものに他ならない。
イジられて気づいた自らの言動の残虐性
代表的なイジりは「ハゲ」などの身体的特徴だろう。
チバも社会人になり体重が増えてきたあたりから社内で「デブイジり」が横行した。
「貫禄が出てきたね~」と笑って言ってくる程度であり、悪気があって言ってきていないことは分かっていた。コミュニケーションの一環だったんだろう。
しかしここで感じた違和感は、女性に対しての発言だったら「セクハラ」と捉えられる発言が、男である自分に向けられたことで、「イジり」として「許容しないといけないもの」へと有無を言わさず変換されてしまった点だ。
性別関係なく「身体的特徴」を笑いのネタにすることは「セクハラ」に他ならないが、「お笑い」と同じ感覚で「イジる」ことはなぜか許容されていることに違和感を覚えたのだ。
その時に自らの言動を振り返り、「イジることで知らない間に他人を攻撃していた!」と反省するに至った。
信頼関係があったとしても避けた方がいい理由
「イジりがいじめに繋がる」という言説に対して
「お互いの関係性が構築されているなら問題ない」という反論がある。
これは一見正しそうに見えるが、できるなら避けた方が無難だろう。
なぜならイジられた側の本当の気持ちなんて誰も知る由がないからだ。
先ほどの俺の職場でも例も、言った本人はコミュニケーションのつもりだっただろうし、俺自身笑ってやり過ごしていた。
こう言った「物言わぬイジられ役」はその場の空気を尊重するがあまり、
発言に心痛めてもそのままやり過ごすことが多い。
さらに予防線を張るために自虐ネタに走る人もいるだろう。
しかし自虐ネタだとしても、その人が心痛めているかどうかの判断は本人しか分からないことなのだ。
テレビは視聴者のレベルを反映する
「嫌なら見るな」は正論
「お笑い」の世界において、「イジる」という行為は正攻法の手法として認識されているが、これを現実世界に持ち込むべきではない。
これが俺の意見だが、これは「お笑い」側が、「テレビで披露されているお笑いは日常生活において流用できない代物である」という啓蒙を怠った側面と、「素人」側が、「テレビというものを鵜呑みにしすぎている」側面、どちらも影響しているだろう。
ここで注意されたいのは、
「現在のテレビについて違和感や嫌悪感を覚えるのならばテレビを見ない」ことでしか解決できないだろう。
週刊誌はなぜ芸能人の不倫を報じるのか
日常生活において全く不要な情報は、芸能人の不倫報道であることは間違いない事実だと思われるし、多くの人が不要と認識しているのにも関わらず、
どうして不倫報道はなくならないのだろうか?
それは「雑誌を買う人がいて、その内容をテレビが報じ、話題にする一般人」という構造的な問題に他ならない。
よく芸能人がプライベートを暴く週刊誌について苦言を呈するが、これは荒唐無稽というか、確信犯的に言っているとしか思えない。
本当にプライベートを暴かれるのが嫌ならば、話題にしなかいか、購入する一般人に提言するしかないのだ。
北野武はフライデー襲撃事件の際に、「週刊誌を買って読むやつがいる。ただそれだけ。」という言葉を残したが全くその通りなのだ。
芸能人が不倫報道などプライベートを暴かれることを逃れる確実な方法は、
芸能界から身を引いて関係のない世界で生活をするしかないように、
一般人がもしテレビに対して嫌悪感を抱いているなら、テレビから離れて生活するしかないのだ。
心地いい環境は自ら作るしかない
居場所はいくらでもある
もしテレビの情報を常にキャッチしなければならないコミュニティにいたとして、それに違和感を覚えないのならばそこに居続ければいいが、
違和感を覚えるのならば、その会話に入らなければいい。
それで関係が薄れてしまう関係ならばそこまでの関係でしかないし、今や学校や職場だけがコミュニティじゃない。
自分の居心地のいい環境はいくらでもある。同じ学校でも別のコミュニティにいけばいいし、SNSもいくらでもコミュニティが存在する。
やることないなら筋トレしよう!
俺はたまたま学生時代の友人とのコミュニティが一番大きいコミュニティだ。
しかしダイエットの日々の進捗をSNSで更新するようになってから、
ダイエット・筋トレ界隈のコミュニティがあることを知った。
共通の趣味や目標をもったコミュニティって素敵やんって思ったのだ。
誰にもどこか居場所がある。
ダイエット・筋トレの世界は基本的にコンプレックスを持っている人たちが多く、人に優しい印象を持つ。
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